社会問題を「個人」と「環境」、そしてその境界面である「適応」の3つのレイヤーとして解釈してみる。
個人(ミクロ/内部モデル)
学習し予測するシステム。脳神経や精神・心理の領域。
- 精神疾患: 内部モデルの不全、処理しきれない予測誤差によるシステムの暴走、凍結。
- 人格形成: 不健全な適応(虐待やいじめ)の結果、偏りのある内部モデルを構築する。
- 犯罪・暴力: 社会的な適応で欲求を満たせない場合に、反社会的あるいは物理的(その多くは短絡的)な適応を図る。
適応(メゾ/マルコフ・ブランケット)
個人が組織化することにより環境へ適応するシステム。個人同士あるいは個人と環境との相互作用が起こる領域。具体的には家庭、学校、企業、地域など、個人が直接所属する組織やコミュニティ。
- リソース獲得システム(経済・労働)
- 企業: 労働環境、賃金、外国人労働者の扱い。生存リソース供給の不安定化。
- 貧困: リソース欠乏により、社会という「環境への適応システム」から脱落しかけている状態。
- 育成システム(教育・家庭)
- 学校: いじめ、現在の環境に適していない教育モデル、人材の不足。
- 家庭: 貧困、暴力、共働きによる親子のコミュニケーション不足、子供の人格形成への悪影響、次世代への連鎖。
- 家庭問題の子供への悪影響: 「安全基地」としての機能喪失。
- 子供に与えられるデジタルデバイス:
- 身体的影響: 視力低下、姿勢悪化、睡眠障害など。
- 認知的影響: 短期報酬中毒、注意力の低下、他者との比較による自己肯定感の低下など。
- 規範・調整システム(社会・政治)
- ジェンダー不平等: 組織の持つ古い適応システムと、現代的な価値観との衝突の一例。
環境(マクロ/外部環境)
社会や自然環境など、複雑なシステムから創発した「全体」。個人や一集団では予測も制御もし切れない、不確実性の高い領域。国際政治・経済、生態系、気象など。
- 自然環境の変化: 生態系の変化・破壊、異常気象、災害。
- 社会構造の変化:
- 先進国の少子高齢化: 人口ピラミッドの偏り、労働力不足。
- 繋がりすぎた社会: 摩擦の増加、VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の加速。
- 情報社会: 認知限界を超えるレベルの情報過多。
- SNS: 情報の短絡化、無責任な情報発信、短期報酬の増加。
- グローバリズム: 一国及び多国間の問題が世界的に波及する国際社会。
- 移民: 文化・常識の異なる他者の流入。
- 人種差別: 「適応」に入れようか迷ったけど、歴史的背景も影響しているのでこちらへ。要調査。
- 制度疲労: 現代の環境変化のスピードに、行政・法律の更新が追いついていない。
- 情報社会: 認知限界を超えるレベルの情報過多。